今年飲んだワイン、全部覚えてる?年末のワイン棚卸しで分かる“好みの変化”

今年ワインを何本か飲んだけれど、好みの変化までは分からない。そんなあなたのための記事。

今年いちばん美味しかった1本、即答できますか?

  • 「美味しいワインはあったはずなのに、名前も産地も出てこない」
  • 「去年と比べて、自分の好みが変わったのかどうか分からない」
  • 「記録は付けたけれど、付けっぱなしで一度も見返していない」

忘れているのは、あなたの記憶力のせいではありません。振り返る機会がないだけです。

結論:1年分の記録を並べて比べれば、好みの変化は自分で読めます。やることは本数・★(自分の評価メモ)・Hints(タップで残す味の印象)を集計して、前半と後半を比べるだけです。

しかも、今年はタイミングも味方です。11月19日(木)にボジョレー・ヌーヴォーが解禁されます。解禁前に棚卸しを済ませておけば、去年のボジョレーの記録を引き出して、今年の新酒と比べる「自分だけの飲み比べ」もできます。


なぜ年末の棚卸しで好みの変化が見えるのか

前半と後半の自分の好みを2本のボトルで比べる図解

味の記憶は、1本だけでは残りにくいものです。「美味しかった」という感覚は残っても、何がどう美味しかったのかは、時間とともにぼやけていきます。

ところが記録を並べると話は変わります。年の前半に飲んだものと後半に飲んだものを比べたとき、「前は重めの赤ばかりだったのに、秋からは白が増えている」「★5の顔ぶれが変わった」といった変化が、はっきり目に見える形で現れます。

好みは、思い出そうとするものではなく、比べたときに浮かび上がるものです。これは、5本の記録から自分の味覚タイプを見る診断でも使っている考え方で、棚卸しはその「1年版」と言えます。

→ まだ自分の味覚タイプを見ていない人は、先にこちらもどうぞ:5本で見つかる味覚タイプ診断


棚卸しの前に揃えるもの

特別な道具はいりません。次の3つだけです。

  • [ ] 今年のワイン記録の一覧(アプリの中の記録でOK)
  • [ ] 前半と後半の区切り(この記事では6月末で分けます)
  • [ ] 気づいたことをメモする場所(ノートでもメモアプリでもOK)

記録がアプリにない人は、スマホの写真フォルダでも代わりになります。ラベルの写真が残っていれば、本数と産地くらいは後から数えられます。味の軸までは再現できませんが、「今年はゼロから始める」のではなく「来年は残そう」の入口にはなります。


手順1 本数・産地・タイプを数える

まずは全体像です。総本数、よく出てくる産地の上位、赤・白・泡の比率を出してください。細かく分析しようとせず、数えるだけで構いません。

数えるだけでも「思ったより白が多い」「同じ産地に寄っている」といった発見が必ず出ます。

区分

本数

割合

総本数(記入例)

36本

100%

産地上位1(記入例:フランス)

12本

33%

産地上位2(記入例:イタリア)

8本

22%

産地上位3(記入例:日本)

5本

14%

タイプ別(記入例:赤)

20本

56%

タイプ別(記入例:白)

11本

31%

タイプ別(記入例:泡)

5本

14%

※この表の数値はすべて記入例です。あなたの記録に置き換えて使ってください。


手順2 ★の分布を見る

次に、★の分布を見ます。ここで大事なのは平均ではなく分布です。平均は1本の極端な評価に引っ張られますが、分布を見れば「自分は★4をよく付けるのか、★5は年に何本だけなのか」が分かります。

POURPINの★は、公開もされなければ、誰かの平均に混ざることもありません。「No reviews. No ratings. Just your taste.」――あくまで自分だけのメモだからこそ、飾らない本音の分布になります。

★

本数

代表の1本(月・場所で書く)

★5(記入例)

3本

5月・旅先のワイナリー

★4(記入例)

12本

9月・近所のビストロ

★3(記入例)

15本

2月・自宅

★2(記入例)

5本

7月・チェーン店

★1(記入例)

1本

11月・出張先

あわせて、自分の★の付け方が1年で変わっていないかも確認してください。年の初めは甘めに付けていたのに、後半は厳しくなっている、といった「ものさしの変化」も立派な発見です。


手順3 Hintsの頻出語を出す

★4以上のワインだけを対象に、Hints(タップで選ぶ味の印象の言葉)を集計して、上位5語を出してみてください。

順位

Hints

回数

ひと言解釈

1(記入例)

なめらか

14回

口当たりの滑らかさを重視している

2(記入例)

チェリー

11回

果実味の明るさが好きの軸

3(記入例)

ベルベット

9回

後半から急に増えた言葉

4(記入例)

バニラ

7回

樽のニュアンスに惹かれている

5(記入例)

フルーティー

6回

白と泡でよく選んでいる

この上位5語が、今のあなたの「好き」を表す語彙です。来年ワインを選ぶとき、店頭で迷ったら、この言葉を手がかりにできます。

Hintsの頻出度をワインレッドの濃淡で表したヒートマップの例

なお、この集計は記録が残っていれば数分で終わります。「付けていてよかった」と実感できるのが、この手順です。


手順4 前半と後半を比べる

棚卸しの山場です。上半期(1〜6月)と下半期(7〜12月)で、産地・タイプ・頻出Hints・★5の本数を並べてください。

項目

前半(1〜6月)

後半(7〜12月)

変化

主な産地(記入例)

フランス中心

イタリア・日本が増加

広がった

タイプ(記入例)

赤が8割

白と泡が半分近く

寄った(白・泡へ)

頻出Hints(記入例)

力強い、オーク

なめらか、フルーティー

寄った(軽やかさへ)

★5の本数(記入例)

1本

2本

不変(数は少ないまま)

並べたら、変わった点を1つ、変わらなかった点を1つ、言葉にしてみてください。「変わった点」は今年の成長、「変わらなかった点」はあなたの核です。どちらも来年の選び方の材料になります。

以前に味覚タイプ診断を受けた人は、そのときの結果と今の分布を見比べると、座標の移動が見えて面白いですよ。


手順5 場所を振り返る

最後に、飲んだ場所(自宅/レストラン)と購入店舗を見返して、「再訪したい店」を3軒まで選んでください。味の記憶は、場所とセットで残っていることが多いものです。

位置情報付きで記録したワインは地図にピンが立つので、近所に偏っているのか、旅先でよく飲んでいるのかも分かります。POURPINの記録は「再訪(リビジット)」のために残すもの。再訪したい店が決まれば、来年の予定も自然と立ちます。

この感覚は、POURPINのYouTube Shorts「気づけば、一年分の夜がここにある」でも紹介しています。


読み方のパターン集

棚卸しの結果は、人によって出方が違います。代表的なパターンと、読み方・来年の選び方を対にしました。

こんな結果

読み方

来年の選び方

同じ産地に集中していた

その産地が今の「好き」の中心

中心は深掘りしつつ、隣の産地を1本だけ試す

★が全体に下がった

舌が肥えたか、選び方が慎重になった

★の基準を責めず、外れにくい店・条件を探す

泡が増えた

食前・乾杯の場面が増えたサイン

泡の産地違いを比べると発見が早い

Hintsの上位が入れ替わった

好みの軸が移動している

新しい上位語をキーワードに次の1本を選ぶ

前半と後半でほぼ同じ

好みが安定している

安定した軸の中で、ヴィンテージ違いを楽しむ


棚卸しでやりがちな3つの失敗

1)本数を数えて満足する

本数は入口にすぎません。★の分布とHintsまで見て、初めて「好みの変化」が読めます。あと10分だけ足してください。

2)低評価の記録を消す

★1や★2の記録は、失敗ではなく「嫌いの軸」を示す資産です。消してしまうと、来年また同じタイプを買ってしまいます。残しておくのが正解です。

3)振り返って終わり、来年の1本を決めない

棚卸しの出口は「来年飲む1本を決めること」です。気づきだけで終わらせず、最後に必ず1本、名前か条件まで落としてください。


補足 記録が5本しかない人のミニ棚卸し

本数が少なくても大丈夫です。5本あれば、★とHintsの比較は成立します。

やり方は同じです。5本を並べて、★がいちばん高いものと低いもののHintsを見比べる。それだけで「自分は何を好きと感じ、何を外れと感じるか」の輪郭が見えます。

大事なのは本数ではなく「並べて比べたか」です。そして今年5本しか残せなかった人こそ、来年はその場で残す習慣を。ラベルを撮って30秒で記録する方法は、お気に入りワインに再会する方法|30秒記録術 で紹介しています。


よくある質問|年末ワイン棚卸しのQ&A

Q1. 記録を付けていない年でも棚卸しはできますか?
できます。写真フォルダと購入履歴から、本数と場所だけでも再構成は可能です。ただし味の軸(★やHints)は再現できないので、来年分からは30秒記録で残しておくのがおすすめです。

Q2. 本数が少ないと意味がありませんか?
ありません。5本あれば★とHintsの比較は成立します。本数より「並べて比べたか」が本質です。少ない年は少ないなりに、1本ごとの重みが見えます。

Q3. 振り返りはアプリの中で完結しますか?
一覧・検索・マップで、基本の振り返りは完結します。条件を細かく絞り込む詳細検索はPremium機能です。表計算ソフトで残したい、年をまたいで保管したい場合は、PremiumのExport(CSV/JSON)を使うと確実です。

Q4. 来年の目標はどう立てればいいですか?
本数の目標ではなく、棚卸し結果から逆算するのがおすすめです。たとえば「新しい産地を3つ試す」「★5だったワインを1本だけ再飲する」。自分の記録から出てきた目標は、続きます。


まとめ

  • 1年の記録は、並べて比べると好みの変化が読める資産になる
  • 見る順番は、本数 → ★分布 → Hints → 前半/後半 → 場所
  • 棚卸しの出口は、来年飲む1本を決めること

今日の1アクション

今夜、今年の記録を開いて、★5をつけたワインだけを数える。

数えるだけで、今年のハイライトが思い出せるはずです。去年のボジョレーがその中にある人は、11月19日の解禁日に今年の新酒と比べる楽しみも待っています。


始めてみる

まずは無料で試す
→ pourpin.fun で無料ログイン(30本まで記録できます)。今年の残りと来年の解禁日から、記録を始めるのに遅すぎることはありません。

記録を資産として残すなら
→ Premium:記録無制限 + Export(CSV/JSON)。1年分の味覚履歴を、自分の手元に残しておくための「味覚履歴の保険」です。